2014年7月6日(日) BY イーグル
今日も霧が全くない素晴らしい好天の中、早朝便と午前便のガイドをやってきました。風が弱く波もなく快適なクルーズが毎日続いていますが、今日も海鳥は順調に現れてくれました。
特に早朝便では、エトピリカが延べ18羽も現れました。今シーズンの新記録です。やっと、少し海水温が上がってきたようです。
午前便ではエトピリカは延べ11羽でしたが、そのうちの1羽は3mという超至近距離で観察出来ました。しかも10分弱にわたって、まるで我々に美しい姿を見せつけるかのように一度も潜らずに船の横に浮かび続けてくれました。最後は、こちらが根負け。写真撮影の方も、カメラを持つ腕が疲労。贅沢な話ですが、至近距離に浮かぶエトピリカを置き去りにして、帰路につきました。
このような現象が起こるのも、5年前から励行している「決して追いかけない」「繁殖地の海峡内にも絶対に入らない」という運航ポリシーが実を結んできているからだという気がいたします。最近は、エトピリカは我々と遭遇しても逃げることがなくなりました。彼らはまず一定の距離を保ちながら、慎重に我々の様子を伺います。そして、カメラのレンズを外してもらったりしながら船を止めてひたすら待ちます。絶対に追いかけることは禁物です。そうしていると、大概エトピリカの方から距離を縮めてきます。元来とても好奇心が強い鳥なのです。容易に近づいて来ない場合は、我々を無視するかのように、水浴びや羽繕いを始めたりします。こうなると、少し船を近づけても全く気にしなくなります。今日もこのような状況となり、最短3mで10分近く観察することができた次第です。もちろん、今日の観察も島から離れた外洋部分での出来事でした。
私は、繁殖地での接近は、どんな野鳥でも現に慎むべきだと思います。親鳥は巣や雛を守るために容易に巣を離れることが出来ず、結果として、彼らに大きな圧力をかけることになります。そして、その度合いが強く、親鳥が危険を感じた場合は巣を放棄することになります。3年前の納沙布岬ではチシマウガラスが心無いカメラマンの所業により、巣を放棄してしまいました。他地域のエトピリカがほぼ絶滅してしまった理由も、ひょっとしたら同じ理由かもしれません。
もちろん、外洋でエトピリカやケイマフリ・ウトウ・ウミガラスなどを見つけ、ゆっくり慎重に船を近づけ観察していただくという我々の方法がBESTだとは言うつもりはありません。少なからず圧力をかけていることは否めませんので。
ただ、野鳥保護にはお金がかかります。そのお金を国家からの資金援助に頼りっきりの野鳥保護運動が正しいとも思いません。自然保護の国家統制につながりかねませんし、予算の増減に保護の度合いが変動するのもいかがなものかと思います。 やはり、野鳥観光を通じ、野鳥保護に充てる「安定的財源」を確保するという国際社会では当たり前の発想が必要になってきていると思います。
落石ネイチャークルーズの売上金の一部は、「海鳥保護基金」として、落石漁協が管理、今年は何と「環境省」に寄付まで行いました。かつて、刺し網漁による「混獲」でエトピリカ等が激減した事実を考えると、漁師さんたちが海鳥観光を運営し、その保護に資金を出すというのは画期的かもしれません。自然保護活動家と漁師さんが対立するような「構造」はもう古いと思います。漁師さんにバードウォッチャーになっていただき、海鳥に対する「愛情」が芽生えた時点で、共同で最良の解決策を模索する。私はこのような「海鳥保護モデル」を推進してゆきたいと考えています。
いずれにしましても、野鳥観光というビジネス感覚の注入により、世界的にみるとかなり遅れている日本の野鳥保護運動が、いい意味で変化を遂げることを願って止みません。
《早朝便観察種》
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(f2)
オジロワシ
ウミネコ
オオセグロカモメ
ケイマフリ(80+)
ウトウ(1500+)
エトピリカ (延べ18)
アカアシミズナギドリ(f1)
**ラッコ(1)
《午前便観察種》
ウミウ
ヒメウ
オジロワシ(4)
ウミネコ
オオセグロカモメ
ウミガラス(2)
ケイマフリ(80+)
ウトウ(1500+)
エトピリカ (延べ11)
ハクセキレイ(1)
今日も霧が全くない素晴らしい好天の中、早朝便と午前便のガイドをやってきました。風が弱く波もなく快適なクルーズが毎日続いていますが、今日も海鳥は順調に現れてくれました。
特に早朝便では、エトピリカが延べ18羽も現れました。今シーズンの新記録です。やっと、少し海水温が上がってきたようです。
午前便ではエトピリカは延べ11羽でしたが、そのうちの1羽は3mという超至近距離で観察出来ました。しかも10分弱にわたって、まるで我々に美しい姿を見せつけるかのように一度も潜らずに船の横に浮かび続けてくれました。最後は、こちらが根負け。写真撮影の方も、カメラを持つ腕が疲労。贅沢な話ですが、至近距離に浮かぶエトピリカを置き去りにして、帰路につきました。
このような現象が起こるのも、5年前から励行している「決して追いかけない」「繁殖地の海峡内にも絶対に入らない」という運航ポリシーが実を結んできているからだという気がいたします。最近は、エトピリカは我々と遭遇しても逃げることがなくなりました。彼らはまず一定の距離を保ちながら、慎重に我々の様子を伺います。そして、カメラのレンズを外してもらったりしながら船を止めてひたすら待ちます。絶対に追いかけることは禁物です。そうしていると、大概エトピリカの方から距離を縮めてきます。元来とても好奇心が強い鳥なのです。容易に近づいて来ない場合は、我々を無視するかのように、水浴びや羽繕いを始めたりします。こうなると、少し船を近づけても全く気にしなくなります。今日もこのような状況となり、最短3mで10分近く観察することができた次第です。もちろん、今日の観察も島から離れた外洋部分での出来事でした。
私は、繁殖地での接近は、どんな野鳥でも現に慎むべきだと思います。親鳥は巣や雛を守るために容易に巣を離れることが出来ず、結果として、彼らに大きな圧力をかけることになります。そして、その度合いが強く、親鳥が危険を感じた場合は巣を放棄することになります。3年前の納沙布岬ではチシマウガラスが心無いカメラマンの所業により、巣を放棄してしまいました。他地域のエトピリカがほぼ絶滅してしまった理由も、ひょっとしたら同じ理由かもしれません。
もちろん、外洋でエトピリカやケイマフリ・ウトウ・ウミガラスなどを見つけ、ゆっくり慎重に船を近づけ観察していただくという我々の方法がBESTだとは言うつもりはありません。少なからず圧力をかけていることは否めませんので。
ただ、野鳥保護にはお金がかかります。そのお金を国家からの資金援助に頼りっきりの野鳥保護運動が正しいとも思いません。自然保護の国家統制につながりかねませんし、予算の増減に保護の度合いが変動するのもいかがなものかと思います。 やはり、野鳥観光を通じ、野鳥保護に充てる「安定的財源」を確保するという国際社会では当たり前の発想が必要になってきていると思います。
落石ネイチャークルーズの売上金の一部は、「海鳥保護基金」として、落石漁協が管理、今年は何と「環境省」に寄付まで行いました。かつて、刺し網漁による「混獲」でエトピリカ等が激減した事実を考えると、漁師さんたちが海鳥観光を運営し、その保護に資金を出すというのは画期的かもしれません。自然保護活動家と漁師さんが対立するような「構造」はもう古いと思います。漁師さんにバードウォッチャーになっていただき、海鳥に対する「愛情」が芽生えた時点で、共同で最良の解決策を模索する。私はこのような「海鳥保護モデル」を推進してゆきたいと考えています。
いずれにしましても、野鳥観光というビジネス感覚の注入により、世界的にみるとかなり遅れている日本の野鳥保護運動が、いい意味で変化を遂げることを願って止みません。
《早朝便観察種》
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(f2)
オジロワシ
ウミネコ
オオセグロカモメ
ケイマフリ(80+)
ウトウ(1500+)
エトピリカ (延べ18)
アカアシミズナギドリ(f1)
**ラッコ(1)
《午前便観察種》
ウミウ
ヒメウ
オジロワシ(4)
ウミネコ
オオセグロカモメ
ウミガラス(2)
ケイマフリ(80+)
ウトウ(1500+)
エトピリカ (延べ11)
ハクセキレイ(1)